もるの日記

なんでもないこと

切手を選ぶ

 

郵便局で切手を選ぶのが好きだ。

 

これまで切手とは縁遠い人生を歩んできたが、ここ数年はハンドメイドの郵送取引が増えたことで、距離がグンと縮まった。

最初はこちらの手違いで返送されてしまうのが怖くて、注文が入る度に郵便窓口へ持ち込んでいたが、回数を重ね取引や梱包にも慣れてきた為、徐々にポスト投函にシフトしていった。やはり営業日や時間が定まっている郵便窓口より、いつでもカコンと投函すれば済むポストの方が圧倒的に楽だ。コンビニにポストが設置されていることも多く、重宝している。

 

私はもっぱら63円切手を2枚使用する。

郵便局窓口で切手シートを購入するのだが、これが毎回楽しみだ。

 

昨年は、世界の芸術作品を色ごとにカテゴライズした切手シートがとても良かった。「黄色」のテーマでは、クリムトゴッホのひまわりなど、「黄色」が全面に押し出された作品が、額縁の様にシートにおさまっていた。日本の作品も海外の作品も混ざっているのに、色のテーマが統一されていると不思議と違和感なくまとまっていた。購入のタイミングが悪く、黄色、白のシリーズしか買えなかったが、見ていてワクワクする切手シートで、毎回剥がすのが勿体なかった。できることなら全色分揃えて並べて飾りたかったが、きっとそれをしてしまうと、もう切手としては使えなくなってしまうだろうなとも思った。

私はコレクションではなく、あくまで使う為に切手を買っているから、一期一会の出会いを楽しむくらいで丁度いい。

 

今日も切手を買った。

小鳥や鹿がデザインされた絵本の様な可愛らしい切手シート。柔らかな水彩風の雰囲気で、10枚の切手からストーリーを読み取ってしまう。また剥がすのが辛くなりそうだ。

もうひとつは、ミシンや編み物、刺繍やクッキーなどがデザインされた、レトロで素朴な雰囲気の切手シート。ハンドメイド品を送るので、これ以上にふさわしい切手はないだろうと2枚購入した。

ミッフィーの切手もとても良かったが、そちらは84円切手だったので断念した。欲しいと思った切手が63円じゃなくて諦めるのも、割とよくあることだ。

 

購入を終えても、切手の楽しみはまだ残っている。

いざ郵送する際は、2枚を選ぶのだが、この組み合わせに悩むのもまた楽しい。彩りを考えたり、テーマを考えたり、送るアクセサリーに合わせてみたり……

 

自分の手元には残らず、送り先でもきっと封筒ごと捨てられてしまう切手だが、毎回ささやかな楽しみと豊かさを日々にもたらしてくれる。

今度過去の切手シリーズでも覗いてみようと思う。